決戦の前日

朝から忙しくしながら、気持ちはわさわさする。

大会を運営する立場にもあるはまちゃんの代わりに、子どもたちの面倒をみながら、あっちいったりこっちいったりするわたし。
今日も相変わらず元気なやつら。
お昼を食べさせて、一軒家に降ろす。

会場に戻ったら、人から離れたところにはまちゃんがいた。
オーダー締め切り15分前。
オーダー用紙を目の前に悩んでいる。
悩みすぎて、女子のものまで真っ白。(笑)
とりあえず、女子のオーダー用紙はわたしが書き込む。
問題は男子なのだ。

1人分だけ、名前のあいてるところがある。

まこ「決まらないの?」
はま「うーん。」

ここが勝負になるかもしれない、と、はまちゃん。
きょうちゃんか、きーよーか。

今、調子がいいのは1年生のきーよーなのだと言う。
でも、2年生のきょうちゃんには経験がある。
優勝がかかってくるポジション。
眉間にしわを寄せて、オーダー用紙を見つめながら、きょうちゃんときーよーに電話をするはまちゃん。
いくつか質問をしながら、ふたりの様子をうかがっている。

電話を切って、わたしを見たはまちゃん。

はま「どうするか?」
まこ「!!」
はま「どっちにする?(笑)」
まこ「わたしに聞かないでよー!」

苦笑いするはまちゃん。

ほんとに答えていいなら、わたしなら経験を取って「きょうちゃん」ってゆうけどさ。(笑)

そして、オーダー締め切り1分前。

「よし。これでいこう!」と、やっと書き始める。
書いたのは、きょうちゃんの名前だった。
やっぱりきょうちゃんの経験にかけたのだろう。

「じゃあ迎えてきてね!」と言い残して、走って提出しにいった。

そして夕方。
最後のミーティング。
ゼッケンを渡しながら、「よろしく」と、選手ひとりひとりと握手を交わすはまちゃん。


気持ちをひとつにして、
自分に負けずに、
目指すは全国大会!

去年果たせなかった夢を、この手につかむために!


夜。
体育館で明日の閉会式のための最終チェックをするわたしたち。
メダルの数と、賞状の数を確認する。

はま「さっき、先輩から電話があったよ。」
まこ「お?」

それは、はまちゃんの大学の先輩の某オリンピック選手。

まこ「なんて?」
はま「明日、がんばれよって。」
まこ「すごい。気にかけてくれてるんだね。」
はま「県外合宿の時、2回くらいあいつらに話してもらったからね。」
まこ「がんばってもらわないとね!」
はま「そうだな。」

どきどきするけど、きっと大丈夫。
明日は、決戦の日!!