再会

きのう、ばったり懐かしい人に会った。

ちょうどお昼に行こうと建物を出たとき、ばったり会ったのだ。
けして誰か知り合いに会うような場所じゃなかったから、
お互いすごく驚いて、でも自然とお互い近寄ってしまった(笑)。
「こんな所で何してるの!?」って。


わたしの大好きな人。
この人を好きになって良かった、と、ふられた直後にそう思わせた人。
結婚すると聞いて、ほんとに嬉しい気持ちに、わたしをさせた人。

彼にとっても、わたしは印象深い人だったのだと思う。


彼の披露宴の日。
夫妻に見送られる招待客の列に、みんなと並んでたわたし。
その時交わした彼との握手は、今でも憶えてる。

列のお客さんは、前も後ろも全部知り合いだったけど、
明らかにわたしの時は少し違った。・・・気がする(笑)。
誰にもわからなかっただろう。
目の前にきたわたしを見て、ふと表情が変わったのだ。
「まこー、ほんとにありがとね。」と、両手を差し出した彼。
言葉はそれだけだった。
けど、両手で握った彼の手から、流れ込むように、いろんな感情が伝わってきた。

わたしたちにしかわからない、想い。

胸がいっぱいになって、なんて言葉を返したのかよく憶えてない。
ただ、わたしの一番いい笑顔を返したのだけ、憶えてる。

「わたしこそ、ほんとにありがとう。」

そう言いたかった。(言ったかもしれないけど。言ったかな? 笑)

「幸せでいてね。」

ほんとに、そう思った。(これは言ってない。笑)

彼にとっても、わたしの存在は転機のひとつだったのだと、
その感情豊かな両手が教えてくれた。


それから、もう2年と少し経ってた。
(あ。1度別の披露宴であったけどね。笑)

近況を少し聞きあって、懐かしんで、笑って。
何も変わらないね。
10分くらいの、短い時間。
お互い笑って、「じゃあ、またね。」って手を振った。

ほんとはきのうは、いくつかのことがちょっと立て込んでて、
ココロが落ち着かない日だった。
けど、不思議なことに、彼に会って少し気持ちが和いだのだ。

この人に恋してた頃、この人みたいになりたい、と、よく思ってた。

明るくて、
よく笑っていて、
でも穏やかで、
毒を吐いてもみんなが笑ってくれて、
自分の感情で人をゆさぶったりせず、
人の痛みを感じることができる、
強く、優しい人。

ふられても、やっぱりこの人みたいになりたい、と、変わらず思ってた。

わたしの尊敬する、大好きな人。
あの頃の恋心とは違う、大好きな人(笑)。
わたしの気持ちを落ち着かせる、不思議な人(笑)。

この人、すごい。

と、夜帰る頃に思った(笑)。
同時に、ひとつ聞きたかったことを思い出した。

今度会ったら最初に聞いてみよう。

「幸せにしてますか?」って。

なんか、こんな笑顔で返してくれそう、って、思い浮かぶ。


会えてよかった。
いろんなことを思い出して、心機一転くらいの気持ちになれた。

わたし、あなたに恋したから、今、こうしているよ。